idea factory from newspaper 2003 9 15

高齢化社会(aging society)
 日本は、高齢化が進んでいるイタリア、ドイツよりも、
高齢者人口の比率が高いそうです。
 今後、さらに高齢化が進む見込みです。
この「スーパー高齢化」が進むと、どうなるか。
「日本は、2020年までは繁栄し、
 それ以降は、急速に貧しくなるということです。」
 繁栄の余韻は残るでしょうから、
おそらく2030年頃から、長い人生を生きる人たちは、
かなり、つらい人生となります。
今のままでは、日本の繁栄は、2020年までか、2030年までです。
2030年までに平均寿命に到達する人は、運がよかったと言えるでしょう。

 (なぜか)
1.高齢者は、「若者、30才台、40才台」に比べて、消費活動が低いということです。
 これは、高齢者がケチということではなくて、
 人間というものは、年を取れば取るほど、物事に関心がなくなるのです。
 物事に関心がなくなれば、消費活動しなくなります。
 消費が減れば、景気が悪くなり、経済規模が縮小します。
2.税金を納める人が少なくなる。
 これは、説明するまでもないですが、
 社会で働いて税金を納める人が少なくなるのです。
 その結果、自動的に「小さな政府」「小さな地方政府」になります。
 税金を納める人が少なくて、行政サービスを求める人が多くなります。

 (予測)
a.今と同じレベルの社会保障を維持するならば、
 高率の税金は避けられない。
 その結果、「自由の少ない社会」が到来します。
 給料が高額の税金で減ってしまい、自由に使えるお金が減ります。
 自由に使えるお金が少なければ、結果的に「行動の自由」は減ります。
b.社会が全体的に貧しくなるということです。
 若者や子供が減れば、消費が減りますので、経済規模が縮小していくのです。
 今の子供は豊かで、子供天国と言われますが、
 今の子供が、年を取って成長するに連れて、貧しくなります。
  今の子供が、成人となった時、あるいは中年になった時、
 貧しさのなかで、子供時代は豊かだったと振り返る時代となります。
  今の60才台と逆になります。
 今の60才台は、貧しい少年時代を過ごし、豊かな老後を過ごします。
 今の子供は、豊かな少年時代を過ごし、貧しい中年、貧しい老後を過ごします。

 (対策)
a.子供を増やす。
b.外国から、移民を受け入れ、移民も働いて税金を納める。
c.将来に備えて、今から、子供に節約術を身につけさせておく。

「子供を産む、産まない」は、個人の自由でしょうから、
bの「移民を受け入れる」が現実的な政策でしょう。
外国には、優秀な頭脳や、優秀な労働力を持った人たちが多いのです。
しかし、活躍の場がなくて、困っている人が多いのです。
「子供を増やす。」という政策ですが、
3人目の子供から、すべての教育費を国が負担するという大胆な政策を実施しない限り、
むずかしいでしょう。
 しかし、学者が指摘しているのですが、政府や地方公共団体は、
今までに、景気対策と称して、累計で、100兆円も使ったそうです。
しかし、100兆円も使っても、景気低迷していますね。
 この100兆円は、土建業者や建設業者に消えたのでしょうから、
景気はよくなりません。
 日本の場合は、バブル経済の時でも、赤字法人が約5割もあったそうです。
つまり、バブル経済の時でも、税金を納めない法人が5割もあったのです。

 今のところ、政府は「政官業」の泥沼につかって、身動きが取れなくなっており、
このままでは、cのコースとなる。
つまり、親も、学校も、子供に、節約術を教える必要があるのです。
 マスコミがよく言う「政官業」とは、
政治家、官僚、業界の癒着・利権構造のことでしょうか。
 民主党が、いろいろなマニフェストの原案を作っており、
専門家からは、まだ未熟な点もあると指摘されますが、
自民党の公約よりは、まだ、マシと言われています。
 自民党の場合は、「政官業」の癒着構造も、大きな問題ですが、
自民党が政策を作る場合、
業界→官僚→政治家という、膨大な積み上げ作業で、政策を作成しています。
だから、結果的に、「可もなく不可もなし」という政策ができます。
また、これでは、時代のスピードについていけないのです。
政策ができた頃には、もう必要なくなっていた。
つまり、今の自民党は、取れる政策の幅が、極めて狭くなっているのです。
 「政官業の利権構造」と「政官業の積み上げ作業で政策を作っていること」、
この2つが、自民党の命を奪いつつあるのです。
 新聞に、自民党が野党になる時代という記事を見かけますが、
今のままでは、それどころか、弱小政党になる可能性があります。
つまり、かつて、全盛を誇っていた社会党のようになるのです。

ともかく、庶民にできる高齢化社会の対策としては、
子供に節約術を教えることです。
これは、親の責務です。
子供時代に豊かで、老後は貧しいと言うのが、一番、きびしい。
子供に浪費癖をつけると、子供の人生は悲惨なことになります。
何はともあれ、子供に節約術を教えることです。
これは、将来の備えとして、重要なことです。